一度も乗ったことのない車について
この記事は カー Advent Calendar 2018 の19日目の記事です。
みなさんが自分の愛車を語っているので、自分は一度も乗ったことのない車について話したい
それが マツダ ベリーサ だ。
マツダベリーサは2004年発売、廃止されたファミリアとデミオとの間に位置する車種として開発された。
足回りは3代目デミオと共通であったため、デミオよりも高級な「プレミアムコンパクトカー」としてデザインされている。そのためインテリアは高級感が感じられるような作りになっていて、オプションで本革シートまで選ぶことができた。
需要があったのかはよくわからないが、11年以上販売が続けられたこのベリーサは2004年以来一度もモデルチェンジをせず、2015年には販売終了となってしまった。同じ足回りのデミオは4代目が出たのとは対照的だ。
この車を初めてみたのが大学に入った頃だったと思う。一目惚れだった。
この車には一度も乗ったことがない。レンタルも試乗もしたことがない。近寄りがたいクラスのあの娘みたいに遠くから見ているだけだった。乗るときは買うとき、とどこかで決めていた。
だから自分で撮った写真も一枚もない。街なかで見かけると見とれてしまうからだ。
先週石垣島に行ったらなんと空港にパールホワイトの彼女が止まっている。
白い車というのは下手すると商用車に見えてしまうこともあるが、彼女のパールホワイトは真っ白なウェディングドレスのように輝いて見えるのだ。
あのとき告白できなかったあの娘に偶然再開したような、うれしいような、少しさみしい気持ちになった。
東京でお迎えするのは少し難しいけど、20年後でも、30年後でもまた会えるのを楽しみにしたい。